【湯殿山 湯殿山神社本宮】生まれ変わりの先にある世界を知る湯殿山の参拝(出羽三山の旅 其の5)

2018/07/28
若草物語35回目の今回の旅は、
美幸ちゃんとふたりで、山形県の庄内地方に広がる出羽三山を巡ってきました。

月山から元気に下山した私たちは、その足で出羽三山 最後のお参り場所となる 湯殿山 湯殿山神社へと向かいました。

出羽三山の中でも神仏習合を一番色濃く残し、そこにあった景色は驚きと共に別世界でありました。

またまたハプニングに遭遇しながらも、出羽三山の神々に守られた旅はまだまだ続きます。

 

出羽三山

出羽三山とは、山形県庄内地方に広がる出羽丘陵の主要部を占める山岳の総称です。
古くから修験道を中心とした、山岳信仰の山でした。

開山は約1400年前、第32代崇峻天皇の皇子である蜂子皇子が三本足の霊烏に導かれ、羽黒山に登拝し、羽黒権現を得て、山頂に祠を創建したのが始まりとされています。

出羽三山にはその名の通り三つの山があり、それぞれの山頂には神社あり、お役目を持っています。今日なお「神仏習合」の歴史が色濃く遺されている神社です。

羽黒山(標高414M)出羽神社 現生
月山(標高1984M)月山神社 過去
湯殿山(標高1500M)湯殿山神社 未来

羽黒山では現世利益を、月山で死後の体験をして、湯殿山で新しい生命(いのち)をいただいて生まれ変わる、という「三関三度(さんかんさんど)の霊山」として信仰を集めてきました。

湯殿山 湯殿山神社本宮

 

祭神は 大山祗神・大巳貴命(大国主神)・少彦名神、本地仏は 大日如来です。

湯殿神社本宮は、山頂ではなく山の中腹にあります。

庄内空港から山形自動車道(高速)を使って、約1時間、
月山八合目駐車場から約1.5時間の道のりです。

自動車での参拝には、有料道路(400円)の利用が必要となります。

湯殿山への参拝(登山)は、湯殿山駐車場の前にある湯殿山休憩所の前からバスが出ていて、料金は往復で300円、5分程度の乗車となります。

また徒歩での参拝(登山)も可能で、バスが通る同じ道を歩いて上がることもできます。
20分程の道のりだそうです。

他には、JR鶴岡駅より羽黒山・湯殿山観光しゃとるバスが出ています。

山形自動車道を使って湯殿山神社へ

 

月山八合目駐車場から山形自動車道(高速)を経由して、そのまま月山花笠ラインへ入り、湯殿山有料自動車道へと続きます。

湯殿山有料道路では、シャイなおじさんがお出迎えです。
ここから湯殿神社の駐車場までは、5分位の道のりです。

湯殿山休憩所で頂くお昼ごはん

 

時刻は正午を過ぎて、ちょうどお昼時。
先にゴハンを頂くことにしました。

ここでのオススメは、今できたてのごま豆腐!
この庄内地方の郷土料理なんでしょう、思えばごま豆腐の出現率が高いです。

ごま豆腐とコーヒーのセットが500円!(ご当地ならではの組合せ)

湯殿山カレーと推しはできたて「ごま豆腐」

 

というわけで今度は「湯殿山カツカレー」・・・どこかで見たこのフォルム。

羽田までのエネルギーチャージで、カツ(タンパク質)に気合を込めました。

それと“推し”の「できたてごま豆腐」を添えて。

山形庄内地方のごま豆腐は、あんかけがポイントです。
なくてもいいような気がしますが、無いと物足りないことを後で知ることになります。

小鉢の代わりにオマケのひめたけ。
これも月山で食べました・・・ご当地グルメなのでしょう。

真空パックになっていたので、お土産にすることにしました。

湯殿山参龍所で有り難い 日帰り風呂

 

湯殿山神社のお参りの前に、湯殿山参龍所でお風呂に入りました。

神様の前に出る前に、汗と雨でドロドロの身体を洗い流して、同時に飛行機にも乗れる身体になる策を取りました。

参龍所の中に入って声を掛けると、とても気さくな男性が出てきて対応してくださいました。
日帰り風呂のお値段はなんと、お値打ちの500円!

今ちょうど誰も使っていないので「どうぞ!どうぞ!」と、大浴場へと案内してくださいました。いい人だ~!

神域で浴びるお湯は生き返る心地

 

すぐに汗と雨に濡れた服を脱ぎ散らかして、熱いシャワーを心ゆくまで浴びまくりました。
「気持ちいい~!生き返るね~」シャンプー最高!!

お風呂から上がって、乾いた服に着替えると、その生きた心地に現生に蘇る気分。(大袈裟か!)

そこからゴチャゴチャになったリュックや、スーツケースを元の形に戻して、飛行機に乗れる身支度を整えました。

大浴場に誰も来ないのをいいことに、もうお店を広げまくり、
決して他所様に見せることはできないその姿でしたが・・・。

なんと全開でした!

ここでも「やっちまった」件

 

そう、この脱衣場のドアが開けっ放しだったことに、この段階で気がついたのです。
「ヤダ!ドア開けっ放し~ッ!!」

もう何がヤバイって、ドアを閉める事もしない、閉まってない事にも気が付かない、そもそもドアの存在を気にしていない、という私たちの性格。(そっちだ)

ま~済んでしまった事は仕方がない!
誰も来なかったし、例え見られても放送事故だ、あははと終わらせた件。

ドライヤーやら、歯磨きやらを済ませ、やっと人前に出られる身なりが完成し、この世の者となった私たちは、未来を示すの湯殿山神社の参拝へと向かいました。

庄内交通 湯殿山本宮参拝バス

 

湯殿山本宮参拝バスに乗るために、庄内交通案内所でバスのチケットを購入します。

先ほどお昼ゴハンを食べた湯殿山休憩所の、同じ建物内にあるのですぐ分かりました。

【湯殿山本宮参拝バス】大人片道:200円/往復:300円
乗車場は、湯殿山休憩所のすぐ目の前です。

徒歩での湯殿山参拝が可能でしたが、汗をかくことに疲れた私たちは、バスを利用することにしました。

またしてもハプニング!「欠航」だって!

 

この「湯殿山本宮参拝バス」の時刻表はあるようなないような、そんな感じの運行で、バスに乗客がいっぱいになると随時出発して行きます。

と・・・乗車したバスで、スマホを見ていた美幸ちゃんが驚いています。
ん?どうしたの?

グイッと突き付けられたスマホの画面には、帰りに乗るはずの飛行機が「欠航」になったというANAのWEBサイト。

羽田空港が台風の暴風域がに入ったため、庄内発の最終便だけが欠航となったのでした。
がびーん!

「欠航」って経験ないのですが、どうするものなの?
「今日帰れない」って、「え~~!」

驚いているまま、バスが湯殿山へ到着してしました。

そのまま、湯殿山神社本宮の参拝が始まります。

「語るなかれ、聞くなかれ」の湯殿山

 

「欠航」については心配しても仕方のないこと・・・、参拝が終わってから考えよう。

今は湯殿の神様とのご対面が、最重要です。

そう思うと、すごく緊張してきました。

というのも、羽黒の神様と月山の神様は、それはそれは優しくして頂いて・・・。
そろそろビンタが来る頃かな?

大袈裟ですが、修験道の厳しさをビシーッ!とされるのではないかと、それはそれはドキドキしておりました。

なので、注連縄をくぐった瞬間から自己紹介を開始です。

湯殿山神社 本宮へいざ!

この注連縄を境に「撮影禁止」となります。

湯殿山神社といえば、この言葉。
「語るなかれ、聞くなかれ」

この湯殿山で修行をする修験道の戒めとして、今に伝える言葉です。

松尾芭蕉の詠んだ句でさえも、「語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな」 としており、
奥の細道には、この句と共に 「そうじて、この山中の微細、行者の法式として、他言することを禁ず。よりて筆をとどめてしるさず。」と記しています。

この「語るなかれ、聞くなかれ」という言葉を、現代の修験者でもない私でさえも知ることができるのは、芭蕉さんのおかげなのかもしれません。

湯殿山神社 修験道のその先にある世界観


※画像は出羽三山神社HPより拝借しています

というわけで、出羽三山神社のHPにある、湯殿神社の案内に沿って、その範囲で湯殿山神社を紹介していきたいと思います。

湯殿山神社での参拝は独特で、まず履物を脱いで、裸足になるとことから始まります。

その後お祓いを受け、人形流しを行い、心身の罪・穢れを祓ってから神域へと進みます。

湯殿山は神の世界とされ、山自体に神が鎮まるものとして、古来より人工は許されず、社殿がないのが大きな特徴です。

別格だった湯殿山「出羽三山総奥院」


※画像は出羽三山神社HPより拝借しています

出羽三山では山の自然を信仰の対象として、修験道で行われる修行を「三関三渡」と言いました。

三山が神仏習合だった時代、羽黒山は観音菩薩(現在)、月山は阿弥陀如来(過去)、葉山や薬師岳は薬師如来(未来)とされ、それらの加護と導きにより現在・過去・未来の三関を乗り越えるという修行、それが「三関三度」でした。

そう、その昔の「出羽三山」に湯殿山は数えられておらず、別格の「出羽三山総奥院」とされていました。

この湯殿山の大日如来には、三関を超越した安住の世界で、生きたまま悟りを開き妙果を得るものなんだそうです。

裸足になってご神体に登拝するのは、大日如来と一体になって、それを感得するとされていました。

湯殿山の「未来」は 現在・過去・未来も超えた世界観


※画像は出羽三山神社HPより拝借しています

月山の絶頂より流れ落ちる梵字川が、湯殿山の山肌をつたい、そのには御霊代として、大山祗神、大巳貴命(大国主神)、少彦名神の三神が祀られていて湯殿山神社としています。

明治の神仏分離の命を受けて、神社となって今に残りますが・・・。

羽黒山神社の山頂で見せて頂いた「羽黒三所大権現」で、湯殿山が大日如来だったことを不思議に感じたことを思い出します。

そしてこの湯殿山神社の独自の雰囲気、他の神社と別世界に感じていたこと、その理由が分かるような気がしました。

かつての「出羽三山」に含まれていなかった湯殿山は、現在・過去・未来をも超えた先の世界としての、存在だったのだと思います。

だから、本地仏が大日如来なのだと。

修験道の戒めである「語るなかれ、聞くなかれ」は、湯殿山だけに伝わります。

この「語るなかれ、聞くなかれ」とは、湯殿山神社のことや御神体のことを外に漏らすなとしたのではなく、「三関三渡」を超え、修行で得たその妙果を、「語るなかれ、聞くなかれ」と戒めていたのではないかと思いました。

その究極のお姿が「即身成仏」

 

その究極のお姿が、帰りの湯殿山本宮参拝バスの降車場にあります。

「即身成仏」です。

ここにあるのは、模擬像として奉納されたものです。
本物ではありませんが、そのリアルなお姿は、本能として拒絶するものがありました。

湯殿山 大日如来の三関を超越した世界の宝窟に安住し、生きたまま悟りを開いた究極のお姿が「即身成仏」ということになります。

この庄内地方には、六体の即身成仏があるそうです。

即身仏(修行者が瞑想を続けて絶命し、そのままミイラになること)とは違い、即身成仏の修行とは過酷を極めます。

米や麦などの五穀十穀を断って、木の実などで命を繋ぎながら体の脂肪や水分などを落とし、断食をしながらお経を読み続けます。その直前には、漆の樹液を飲むといいます。汗をかき、嘔吐を繰り返し、最後まで身体に残された水分を絞り出すということでしょうか。

湯殿山神社のこの場所に、こうして「即身成仏像」があるというのは、そうした信仰を伝えるものなんだと思います。

ですが、修験道を信仰した修験者全てが「即身成仏」を目指したものではないようにも思っています。数少ない貴い存在だった・・・。

日本に現存する即身成仏は18体だそうです。

湯殿山 御神体のご神徳を感じる聖域

 

湯殿山神社を別世界のように感じたことや、大日如来を見て不思議に思った理由を知りたくて、出羽三山神社のHPにある案内を見て、自分なりに考えてみたら、最後は少し怖いお話になってしまいましたが・・・。

湯殿山神社も、湯殿の神様は怖くないです。大丈夫です。

湯殿神社でのお参りは、厳かな雰囲気を想像していましたが、意外にもそこには和気藹々で和やかな雰囲気がありました。

湯殿の神様の前で、参拝者全員が裸足になるという一体感、そのまま御神体を巡拝し、老若男女みんな平等にお参りをするからなんだと思います。

御神体への驚きの共有が、その聖域がもたらす御神徳なのだと感じます。

出羽三山の中でも、湯殿山神社は本当に特別なものを感じる聖域です。
「百聞は一見にしかず」、ぜひ感じてみて欲しいです。

御朱印と欲しかった縁起物

 

識子さんの本には「亡くなった人に会える場所」として紹介されています。
※亡くなった人に会う場合には、出羽三山の参拝順に決まりがあります

亡くなった人を連れて来れる神様ってどんなー?仏様なら分かるけど?と思っていましたが、湯殿の神様に会ってみて、「うん、この神様だったらできると思う」と納得してしまいました。

出羽三山のこの場所こそが、それを可能にしてくれているのだと思います。

それは言葉で説明なんてできない、感覚的に思うもので、これがまさに「聞くなかれ、語るなかれ」なんだわ~なんて、思ってしまいました。

お線香と出羽三山が描かれた絵馬

 

湯殿神社では、お線香と絵馬を頂いてきました。

湯殿神社では、先祖供養もできるのです。
それで頂いたのが、このお線香です。

神社・神様というより、ますます仏様感が強くて、神仏習合だった時を今に伝えるものなのでしょう。

振り返る湯殿山の美しき大鳥居

湯殿の神様にも、大きな歓迎を頂きました。

御神体に手を合わせた時には、湯殿山神社独自の御祈祷も見せて頂きましたし、先祖供養の御祈祷というのも見せて頂きました。

美幸ちゃんとふたりで欲しいと願った、絵馬があったのも湯殿山神社だけです。

参拝の終わりに御神酒を頂いた際には、神職さんと飛行機が欠航になった話になると、
「庄内空港の近くで、民宿をやっている知り合がいる!」と言って、電話までしてくださいました。

「ミラクル来たかー!?」と期待しましたが、
結果はあいにくの「満室」で、そう上手くは行きませんでした、が・・・。

このやり取りを聞いていたと思われる湯殿の神様が、後に優しいご加護をくださることを、私たちはまだ知りません。

湯殿山神社での参拝を終え、最後に車から振り返えり、湯殿の神様に手を振りました。

「湯殿の神様ありがとうございましたー!月山の神様も、出羽の神様もありがとうございましたー!!約束できないけど、またこの地に来たいでーす!」

出羽三山の神々から、あたたかい御加護を頂いて、無事に参拝することができました。
感謝でいっぱいになりながら、湯殿山をあとにしました。

出羽三山の神々に守られた旅の結末はいかに!?

さて・・・問題は「欠航」をどうするかだ。
こんなにも出羽三山の神々に守られた旅なのに、どうして?などと思いつつ。

まずは庄内空港へ行ってみなくては。そしてレンタカー屋さんにも。
今夜の宿は、それからだ!現生は厳しいのう・・・。

時刻は15時30分。
予定の帰りのフライトは17時50分発だったので、イイ感じで帰れたはずなんです・・・。
なのに「欠航」って。

出羽三山を巡る旅が素晴らしいものだっただけに、最後の最後で「台風」というケチが付いてしまうのか・・・そんなやるせなさを胸に、庄内空港へと向かったのでありました。



「語るなかれ、聞くなかれ」って、
若草物語のブログ、どうするの?
って美幸ちゃんに聞かれ、

出羽三山神社のHPで
紹介されている内容であれば、
戒めに触れないかと書いて
びっくり!

湯殿山の、修験道の厳しさを
知ることとなりました